聖書地理
【タデモル】ソロモン王が神殿と王宮の建設を終えた後北方の防衛と交易の拠点としてシリア砂漠に築いた町。ダマスコの北東約215㎞、ユーフラテス川と地中海交易路の中間にあるオアシス都市。列柱道路で知られるパルミラ遺跡と同定される。
【ゲバル】レバノン北西部、地中海沿いの町。現在のジュベイルと同定。船舶技術に優れており、同盟国、海運国家ツロの船舶保守を担っていたことがエゼキエル書に記されている。パピルス輸入の中継地でもあったので、それにちなみビブロスと呼ばれるようにな…
【ハマテ】シリア中部の古代都市で、重要な政治・商業の中心地だった。旧約聖書では、イスラエルの北の国境として頻繁に言及されている。ダビデ王の時代にはハマテの王トイがダビデに使者を送ったとの記録がある。ソロモン王の時代には貿易の要所として栄え…
以前はキルヤテ・セフェルと呼ばれていた町で、南パレスチナ、ユダの山地、ヘブロン南西にあった要塞都市。カレブはこの町を攻略した者に、娘を与えることを約束。後に最初の士師となるオテニエルがそれを勝ち取ったことがヨシュア記に記されている。
イスラエルのカナン侵攻の際、エルサレムの王の呼びかけに応え、同盟を組んだ五つの町の内の一つ。同盟軍はイスラエルと和約した裏切りの町ギブオンを討つために出陣するも、イスラエルの援軍の前に敗れ、エグロンの住民は聖絶されることになった。
イスラエルによるカナン侵攻の際、戦火を交えたカナン同盟の町のひとつ。相続地としては、ユダ族に割り当てられ、後にレビの子孫、アロンの家に与えられ、祭司の町となった。南ユダ王国のヨラム王の時代には、王国の支配から脱しようとしたこともある。
【アヤロン】イスラエル中部、エルサレムの西方約二〇キロメートルに位置。ヨシュアがアモリ人の五人の王と戦った際、「太陽よ、ギブオンの上にとどまれ。月よ、アヤロンの谷にとどまれ」と祈ると、太陽と月が動きを止めたという奇跡的な出来事が起こったと…
カナン地方のシェフェラと呼ばれる丘陵地帯に位置した町。特に『ヨシュア記』十章に登場、ギブオン人に対抗して同盟したカナン人の五人の王が逃げ込んだ洞窟があった場所として知られる。現在の「キルベト・エル・ケーシューム」(遺跡)と比定されている。
【アゼカ】エルサレム南西約二十七㎞の丘、現在のテル・アゼカ(遺跡)と同定。ラキシュと並びユダ王国の防衛の要所であった。ペリシテとイスラエルの戦いの際、ペリシテ軍は「ソコとアゼカの間」に陣を敷き、そこがダビデとゴリアテの戦いの舞台になった。
【ケフィラ】イスラエルがカナンに侵入した際、盟約を結んだギブオン人の四つの町のうちの一つでベニヤミン部族の相続地となった。エルサレムの北西十三キロに位置するエルケフィレと比定。ゼルバベルと共に捕囚から帰還した集団の中には、この町の住民が含…
【ヘシュボン】ヨルダン川の東、約二十四キロ、エルサレムの東約六十キロに位置。モアブ人の町だったが、出エジプトの時代には、エモリ人の王シホンが征服、統治していた。彼はカナンの途上にあるイスラエルの民に立ちはだかるも敗戦、後にこの町はルベン族…
【ギブオン】町の名は「丘」という意味。イスラエルによるカナン侵攻時の住民ヒビ人は、イスラエルと戦うことなく、かつ、イスラエルに神が課したカナン人聖絶の命令から免れるために計略を巡らし、見事にそれを成功させた。ギブオンは後にベニヤミン族の相…
【エバル山】ゲリジム山の向かい側にある標高九三八メートルの山。シェケムの谷をはさんでゲリジム山と向かい合う。神はイスラエルの民にゲリジム山に祝福を置くように命じられた際、向かい合うエバル山には呪いを置くように命じられた。
【アラバ】アラバは旧約聖書に頻出する地名で、その意味は「乾燥した地」。今日のアラバは死海南方の沼地からアカバ湾に伸びる谷に限定されるが、聖書中では、北はガリラヤ湖から、ヨルダン川流域、死海を経て、アカバ湾に至るまでの広い範囲での低地を指す。
【アコルの谷】 イスラエルの民のエリコ攻略の際、戦利品をいっさい取るなと神に命じられたにもかかわらず、その命令に背いた、アカンが処刑された場所。しかし、なぜかイザヤ書やホセア書においては、この場所が神の祝福と希望の象徴として言及されているこ…
【ギルガル】聖書にはギルガルと呼ばれる地が複数登場するが、最も有名なのはエジプトを脱出したイスラエルの民がヨルダン川を渡った後、最初に宿営した場所である。サムエル記では、ここで、サウルがイスラエル王国の初代の王として任命されたことが記され…
【シティム】「アカシアの木」という意味。ヨルダン川の東岸、モアブ草原の北部に位置。ここはイスラエルの民がモアブの女たちと淫行し、異教の神々を拝み、神に罰せられた地として、また、カナン侵攻を目前に、ヨシュアが斥候を遣わした地として聖書に登場…
エルサレムの西北西、約三〇キロに位置する町で、重要な軍事拠点だった。ヨシュア記では、ゲゼルの王がイスラエル軍に対抗するも敗北したことが記録され、列王記では、謀反を起こされたアマツヤ王が逃げ込んだが、敵に追いつかれて打たれた町として登場。
【ヤッファ(ヨッパ)】エルサレムの北西五十六キロに位置する港町。預言者ヨナは神の命令を拒み逃れる際、ここからタルシシュに向かった。使徒の働きには、ペテロがこの町に来た際、亡くなったばかりの敬虔な信徒タビタのために祈ると、彼女がよみがったこ…
【エクロン】古代ペリシテ人の五大都市の一つ。ユダヤの丘陵地帯と沿岸平野の間にあるテル・ミクネ遺跡がその有力な候補とされている。イスラエルから奪われた神の箱が、ペリシテの都市をたらい回しにされ、最終的に行き着いた場所としても聖書に登場する。 …
【ガテ】ペリシテ人五大都市の一つ。「ぶどうしぼり場」という意味。イスラエル中部、ユダの山地とペリシテの平原の境界あたりに位置していたと考えられている。巨人ゴリアテの出身地、またダビデがサウル王の殺意から逃れ亡命した町としても知られる。
【アシュケロン】ペリシテ五大都市の一つで、ガザ地区の北約十三キロメートルに位置する。今現在はイスラエル南部地区で三番目に大きな都市として、約一五万の人口を有する。士師記にはサムソンがアシュケロンの住民三十人を打って衣服を奪ったという出来事…
【アシュドデ】ペリシテ五大都市の一つ。士師時代末期、イスラエルはペリシテとの戦いに破れ、契約の箱を奪われてしまった。その際、ペリシテが契約の箱を最初に運び入れたのがアシュドデである。神は腫物の災いによって、アシュドデの住民を打たれた。
【ガザ】ペリシテの五大都市中、最南端の町。サムソンが、町の門の扉と二本の門柱を肩に担いで山頂に運んだという逸話はこの町での出来事である。ガザはヨシュアによって、ユダ部族の相続の地として示されたが、完全にその支配下に置かれることはなかった。
【ハツォル】ガリラヤ湖の北西に位置するカナンの有力都市。現代では「テル・ハツォル(遺跡)」として知られる。ヨシュア記11章では、ハツォルの王ヤビンが北部カナンの諸王を率いイスラエル軍に対抗するも、イスラエル軍に敗れ、徹底的に破壊され焼き払わ…
【シドン】ツロと並んでフェニキアの著名な町として聖書にしばしば登場。現在のレバノン共和国のサイダにあたる。北イスラエル王国のアハブ王は、シドンの王エテバアルの娘を妻として娶ったが、それが悪名高いイゼベルで、彼女はイスラエルにバアル信仰を持…
【ツロ】「岩」を意味する名を持つ古代フェニキアの主要都市。現在のレバノン南部の地中海沿岸部に位置した。港湾都市として、杉材や染料、ガラス製品などの交易で繁栄。聖書にはツロの王ヒラムはソロモン王が神殿を建築する際に木材と職人を提供したと記録…
【レバノン】南の国境をイスラエルと接する現在のレバノン共和国周辺に位置。建築や造船の資材として知られる「レバノン杉」の産地で、ソロモン王は神殿建築の際、それを取り寄せた。聖書では美しさや力を象徴すると同時に、高慢と神の裁きの象徴としても登…
【ラキシュ】イスラエルがカナンの地を征服した際に、攻略された都市国家の一つ。アモリ人の地でエルサレムの南西約四十五キロメートルの丘陵地帯に所在した。エルサレムに次ぐ、ユダ王国の重要な要塞都市として発展するが、バビロンの王ネブカドネザルの前…
【メギド】イスラエル北部の平野にあった都市。軍事的・戦略的に重要な拠点で、古代から多くの戦いの場となり、第一世界大戦においても、大きな戦争があった。終末戦争が起こる場として黙示録に登場する「ハルマゲドン」は「ハル・メギド(メギドの丘)」に…