冬のある日。高校生だった私はコタツにもぐりこみテレビを見ていました。しかし、すぐそばでペチャクチャと話す母の声でテレビの音声がよく聞こえません。
それで、音量をあげようとリモコンを操作したのですが、反応しないのです。あれ?とボタンをポチポチしていると
「あなた何してるの?」と母の声。
ん?と見上げると、そこには不思議そうな母の顔。
え?と手元を見るとリモコンはまっすぐ母に向けられていました。
なんと、私は知らぬまにウトウトとしてて、少し寝ぼけていたようで、テレビの音量を上げるのではなく、母の音量を下げようとしていたのです(笑)
「私はただの話し好きじゃないのよ。証し好きなのよ」とは母の言い分。
今日はそんな母の誕生日。
きっと今も天国で楽しそうに証ししていることでしょう。