「ニンジンは健康に良いのよ!」
母はそう言うと、私の大嫌いなニンジンをカレー皿にたっぷりと入れます。
食べないと怒られる・・・
幼かった私は目に涙を浮かべながら、黙々と食したのでした。
それから十年ほど経ったある日、家族でカレーを食べていると、母の皿に全くニンジンが入っていないのに気づきました。
私は親切心から健康に良いニンジンを母の皿にたっぷり入れてあげようとすると、母がそれを異様に拒むのです。何故かと問うと、母の口から信じられない言葉が。
「私、ニンジン苦手なのよ・・・」
なんと、子どもたちにはたっぷりニンジンを食べさせておきながら母自身は全く食べて来てなかったのです。
これもまた愛のなせるわざなのでしょうか?