実に些細で、どうでもいいことなのですが、衝撃的な出来事ってありますよね。
あれは三〇数年前、私が中学生になるかならないかの頃だったと思いますが、父とふたりで車に乗っていた時のことです。
父がおもむろにカセットデッキにテープを入れると、スピーカーからは美しい歌声で聖歌が流れてきました。
うっとりとそれに聞き入ってると、父が鼻歌で聖歌を奏で始めたのです。せっかく美しい歌声に父の鼻歌が混じ…というところで、私は衝撃的な事実に気づいたのです。
父の鼻歌は車内に流れてる聖歌とは違う!
全く別の聖歌だ!
い…意味が分からない、となったわけですが最終的には、父は周囲に流されない人なんだというふうに解釈したとかしないとか。