Nichinan Chapel

飫肥杉香る礼拝堂 日南チャペル

不正な管理人

イエス様の譬え話に登場する主人は管理人の不正をほめたのでしょうか?神は悪行で稼いだ金で友を作れと教えているのでしょうか?

1.主人は不正をほめた?

主人は、不正な管理人が賢く行動したのをほめた(ルカ16:8)

主人は管理人の不正行為ではなく、失業に備えての管理人の抜け目ない行動に感嘆したのです。「不正な管理人でさえ知恵をふり絞り将来に備えたのだから、正しい管理人として選ばれたあなたたちは、それ以上に知恵をふり絞り、来るべき世界のために備えるべきではないか」という使信を読み取る上で「不正な裁判官」の譬え(ルカ18:1-8)は参考になるでしょう。

2.不正の富とは?

不正の富で、自分のために友をつくりなさい(ルカ16:9)

聖書全体から理解する時、神が悪行で稼いだ金で友人を作るよう教えられるとは考えられません。「不正の富」とは何かを読み取るために、類比されている言葉に注目しましょう。「最も小さなこと」(ルカ16:10)「他人のもの」(ルカ16:12)です。不正な富とは「(天国の富と比べると)小さく、永続せず、真実ではない富」すなわち「地上に属する財産(能力、時間、経験を含む)」と解することができるでしょう。

3.神と富の関係は?

あなたがたは、神と富とに仕えることはできません(ルカ16:13)

「神と富とに仕えることはできません」という文章を「(地上の)富に仕えるために神を利用してはなりません。神に仕えるために(地上の)富を利用しなさい」と言い換えれば、譬え話全体がすっきり理解できるのではないでしょうか。不正な管理人の譬えは「永遠の住まいに迎え入れてくれる友を作るため」すなわち「福音宣教のために」地上で与えられている財産を賢く用いなさいと解することができます。

(2022年9月25日の礼拝説教要約 説教者:高森恒喜牧師)