Nichinan Chapel

飫肥杉香る礼拝堂 日南チャペル

目には目?左の頬?

聖書の教えを日々の生活に正しく適用するためには、聖書を正しく読み、解釈しなければなりません。そのためには聖書を全体的に読むことが重要になります。

1.本質を教えるために

しかし、わたしはあなたがたに言います(マタイ5:39)     

マタイの福音書の5章後半では旧約聖書の代表的戒めがいくつかあげられつつ、それらに対するイエス様の見解が記されています。イエス様はそれぞれの戒めに対するご自身の見解を述べられる際、「しかし、わたしはあなたがたに言います」という言葉をもってはじめておられますが、これは決して旧約聖書の教えを否定しているわけではありません。その本質的な部分を明確にしておられるのです。

2.極端な表現をもって

あなたの右の頬を打つ者には、左の頬も向けなさい(マタイ5:39)

聖書は極端な表現や例を用いて、真理を強調することがあります。たとえば「右の手があなたをつまずかせるなら、切って捨てなさい」(マタイ5:30)とありますが、これは実際にそうしなさいということではありません。極端な表現をもってゲヘナ(地獄)の恐ろしさや、また罪に対して私たちが持つべき信仰の姿勢を教えているのです。「右の頬を打つ者には、左の頬も」というのもまたそれと同じです。

3.愛に基づく実践

借りようとする者に背を向けてはいけません(マタイ5:42)

イエス様は「目には目を」という戒めを否定したのではなく、その根底にある神の御心、つまり、悪意をもって近づく人にどう応じるべきかを教えられたのです。右の頬を打つ者、下着を取ろうとする者、借りようとする者etc.は、悪人の具体的例です。彼らに悪意ではなく、かえって善意で応じなさいという教えの強調表現が「左の頬も向けよ」です。その本質を捉えつつ、クリスチャン生活に適用することが大切です。

(2022年11月27日の礼拝説教要約 説教者:高森恒喜牧師)