「旅行者ですが、こちらで礼拝を守らせていただけますか?」。
礼拝開始の二〇分程前、上品な老夫婦がチャペルを訪ねて来られました。
もちろん、大歓迎です。
ただ、教派の違いから、礼拝の雰囲気、説教の内容など、戸惑わせたり、不快に感じさせる点もあるかな?と、一抹の不安も。
しかし帰り際、奥様が
「私たちの教会と雰囲気が似てました」
と一安心… させておいてからの
「私の主人も、牧師だったんです」。
その際、わずかに得た情報から素性を辿ると、某大教団で八〇歳近くまで牧師を務めて来られただけでなく、某神学大学の理事長などの要職も務めて来られた方でした。
あぁ、最初から知っておきたかった…
ような、知らなくて良かった… ような。