メディアは必ずしも真実をそのまま伝えるわけではない。
初めて実感したのは、二十五年前、あるハンセン病療養所で、ひとりの患者さんに体験談を伺った後のこと。
外出先で、たまたま手にした某大手新聞にその患者さんのインタビュー記事が載せられていました。
記事にはその方の写真が、指先の欠損部分も映る形で添えられ、これは病気によるものだとハンセン病の苦しみが強調されていました。
私が聞いた話とは違います。
本人は体験談を話される際
「この指の欠損は病気によるものではありません。誤解される方が多いので最初にお伝えします」
と言われていたのです。
病気のせいにしたほうが記事としては印象的かもしれません。
しかし、大事なのは真実です。