ユダヤ人モルデカイ。
ペルシャの王妃エステルの養父で、その一途な信仰によって知られる人物です。
頑固で無口、同時に孤児エステルを養女とする慈悲深さもある。
実に魅力的な人物ですが、そんな彼の印象をガラッと変える一文がエステル記のギリシャ語版(カトリックの第二正典)に記されています。
「モルデカイは自分の妻にしようと、引き取って養っていた。エステルは美しい娘だった」(2・7)
…なぬ?
となりませんか?
え? そんな動機で?
たちまち、モルデカイに対する評価がだだ下がりになってしまうのは私だけではないはず。
正典(聖書66巻)に含まれなくて本当に良かった。
ちょっとしたことで人の評価はガラッと変わるもの。
気をつけなければ、ですね。