家がミシミシときしむほどの風。春一番か?と思っていると、ズズズズ…ズズズ…と何かがアスファルトの上を引きずられる音…
まさか!と思って出ると、玄関前の宅配ボックスがありません。見ると二〇㍍ほど先を交差点に向かってひた走る宅配ボックス。慌てて回収。車通りも人通りもなかったのは幸いでした。
「春一番」はその陽気な語感にそぐわず、なかなか危険。実際三月中旬の強風が「春一番」と呼ばれるようになったのは江戸時代末期、壱岐島沖で七隻の漁船が強風で転覆。五十三人の漁師が犠牲になった事故がきっかけになっているそう。
「聖霊の風」もまた家を揺るがすような風として現れましたが、それは命を奪うのではなく、命を与える風でした。