中学3年生だった頃の、ある日のホームルーム。
当時三〇代半ば、既婚の男性教師と生徒たちとで「結婚」というテーマでワイワイと話していました。
どんなことを話したかは覚えていません。しかし、担任の締めの言葉は私の胸に深く刻まれました。
「結局結婚というものはだな。妥協だ!」
クラスは爆笑に包まれたのですが、私はその言葉に何か目がひらけたような気がしたのです(笑)
妥協というとネガティブに捉えられがちですが、良い意味での妥協もあります。
たとえば、伴侶に理想を押し付けないこともそうです。
「平和を作る者は幸い」とありますが、その言葉には「良い意味で妥協できる者は幸い」というニュアンスも含まれているのではないでしょうか。