Nichinan Chapel

飫肥杉香る礼拝堂 日南チャペル

一万円か、千円か

神学生時代、ある賛美集会に参加したときのことです。献金の時間になった時、司会者がこう言いました。

今、あなたの心に示された額を捧げましょう。

その瞬間、私の脳裏に一万円という額がよぎりました。

しかし、私は神学生であると同時に貧学生です。財布にそんなお金が入っているはずがありません。

まさか、と思いながら、財布を開けると一万円札が一枚、千円札が一枚入っていました。

一万円を捧げるか、千円を捧げるかの二択です。

献金の袋が回って来ました。隣の神学生は震える手で一万円を捧げました。

私も… 私は… 千円。

三日後、私のもとに祖母から三千円が届きました。

七日後、あの神学生に母教会から百万円が届きました。

そういうことです。