「絶対手を離さないでね!絶対だよ!」
「ああ、絶対離さないから大丈夫!心配するな!おまえは前だけ向いてればいい!」
私はペダルを漕ぎだしました。補助輪を外してのはじめての自転車。
ひとりだったら漕ぎだすこともままならなかったのに、すっと漕ぎだせます。父が支えてくれているから。
コケることもありません。だって父が支えてくれているから。
私は満面の笑みで後ろを振り返りました。
あれ?父はどこ?あれ?10メートルぐらい先でニヤニヤしている・・・あれが父???
私はその瞬間、自分が自転車に乗れている喜びより「う、裏切られた~!」というショックでコケてしまいました。
まあ、肉の父はそういうこともありますよね(笑)