被造物も私たち人間とともに「うめき」を発していますが、その「苦しみ」は単なる呻き苦しみで終わるものではありません。
1.被造物のうめき
被造物全体が今に至るまで、ともにうめき(ローマ8:22)
被造物(ひぞうぶつ)とは創造主なる神によって造られた全てのものです。テキストでは特に人間以外のものを指してそう言っています。
「滅びの法則」に苦しんでいるのは人間だけではありません。人間の過ちによって、ともに「滅びの法則」の下に置かれた全世界もまた、ともに苦しみうめいているのです。私たちの「救い」は被造物全体の救いと関係しているのです。
2.産みの苦しみ
ともに産みの苦しみをしている(ローマ8:22)
人間とその他の被造物はともにうめいているわけですが、そのうめきには希望があります。なぜなら、それは「産みの苦しみ」から出るうめきだからです。その先には新しい命の誕生があるのです。
それは私たち人間にとっては、栄光のからだに変えられることであり、この天地万物にとっては、新しい天と新しい地へと造り変えられることです。
3.栄光の自由の中へ
被造物自体も、滅びの束縛から解放され、神の子どもたちの栄光の自由の中に入れられます(ローマ8:21)
「苦しみ」の原因は人間の過ちから発したものですが、それをさえ神は益と変え、その「苦しみ」の中で私たちを栄光から栄光へとキリストの姿へと造り変えてくださいます。
私たちはそのことを常に心のうちに覚えつつ、人生の中に起こってくる様々な試練を自らの成長の機会とし、さらなる栄光の自由の中へと導かれていこうではありませんか。
説教者 高森恒喜牧師
(2018年5月20日礼拝説教の要約)